2月も中旬となり、本格的な花粉症シーズンとなってきました。大阪市東成区の測定局でも、ぼちぼち花粉飛散が観測されています。今年の飛散花粉数予想は、各地方によってまちまちですが、全国平均としては、概ね、例年通りと考えられています。東海や関東の一部では、例年より多いと予想され、やなぎだ耳鼻科がある近畿地方では、例年と同程度かやや少なめとされています。ただ、昨年の近畿地方の飛散数が例年に比べ、非常に少なかったため、今年は昨年に比べればやや多めと予想されています。
今年は、マスコミにおける花粉症の報道が例年に比べ少なめいためか、今のところ、当院を受診される患者さんの出足は、ややにぶい印象です。ただ、先に述べたように飛散予想花粉数は、特に少ないわけではなく、例年通りの飛散数のため、充分な対策が必要です。
花粉症を含めたアレルギー治療において、アレルギーを起こす原因物質を知ることは大変重要です。自分は、スギ花粉症であると思っていても、検査をしてみると、ハウスダストアレルギーであったり、イネ科植物花粉症であったり、まったくアレルギー原因物質が無かったりすることはよく経験することです。検査結果をはっきりと知ることで、原因物質を回避する対策がたてやすくなりますし、内服の方法や時期がはっきりします。もちろん、これまで当院でも、通常の静脈採血によってアレルギー検査を行ってきました。しかし、お子さんからの採血が難しいこと、採血対する抵抗感を持つ方がおられることから、アレルギー検査をなかなか行うことができませんでした。一方、近年、アレルギー性鼻炎の患者さんの低年齢化が進み、お子さんのアレルギー検査の必要性も実感していました。
そのような背景もあり、今年から、指先から3-4滴採血した後に、20分ほどお待ちいただければ、スギ・ハウスダストなどのアレルギーの原因物質を特定できる検査キットを導入しました。痛みはごくわずかで、血液をとるのが難しい小さなお子さんでも可能です。注射針を見ると気分が悪くなる・・・という大人の方にもお勧めです。ただ、検査可能な原因物質は「スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ヤケヒョウダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ」のみです。食物アレルギーについては検査ができませんが、耳鼻科を受診する花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の患者さんの原因検索に有用と考えます。
「20分でわかるアレルギー検査」
http://www.phadia.com/ja/5/allergy/20/
今後、アレルギー性鼻炎が疑われるお子さんを中心に積極的に検査を勧めてさせていただきたいと考えています。
毎年同じことを書いていますが、花粉症のシーズンを快適に過ごすためには、地道な花粉回避対策と早期の治療開始が重要です。今年も、充分な対策で、花粉症シーズンを乗り切ってください。