前回このページで舌下免疫療法について触れました。そこでも書いたように、先日、福井市で行われた日本鼻科学会で、教育セミナー「舌下免疫療法の実際と対応」を受講してきました。具体的な方法や成績、注意点などがくわしく述べられ、大変勉強になりました。学会の立場としては、この治療法をすべての医師が行うものでもなく、充分な勉強をした専門医でないと施行できないようにしたいようです。ひとまず今回、このセミナーを受講し、登録申請したことにより、当院でも実施できる状態となりました。
今回、改めてこの講演を聞き、非常に有望な治療法であることを再認識しました。ただ、現状では2年間必ずスギ花粉エキスを舌下することを継続することを条件に治療を開始するという制限がついています。治療を施行する上で、いろいろ煩雑な面もありますが、治験の段階では重篤なショックなどの副作用も報告されていません。
ただ、政治的な理由(?)からか今年の11月に予定されていたスギ抗原エキスの発売が、来年の4月に延期されたようです。したがって、残念ながら来年のスギ花粉症シーズンには間に合いません。来年の春も、現状では従来通りの対応および治療となります。しかし、この治療の導入は確実ですので、今後に期待していきたいと思っています。
先日、来年のスギ花粉飛散予測の第一報が報告されました。それによると、今年の猛暑を反映してか、来年の大阪の飛散数は昨年よりは少ないが、例年よりもやや多めとのことです。今年も、まずは充分な対策と早めの治療が大切と言えます。