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Medical care診療内容

プール熱って?

喉の疾患についてのお話

近のマスコミ報道では今年はプール熱が大流行と伝えられています。このプール熱、医学用語では咽頭結膜熱といいます。最近ではスイミングスクールの普及により、プール熱の発生が真夏だけではなくなってきているようです。実際、典型例は少ないまでも7月に入り、この疾患を疑う患者さんに多数遭遇するようになりました。

[原因]
咽頭結膜熱の多くはアデノウイルスが原因とされています。このアデノウイルス、プール熱以外にも小児科領域において様々な上気道感染症を引き起こします。

[症状]
4歳から10歳程度の幼稚園児から小学生に多く発症するのが特徴ですが、比較的年長の方にも発症するようになってきています。
潜伏期間は約1週間あり、急な発熱から始まることが多いのが特徴です。高熱が出て、頭痛、のどの痛み、鼻水が出るなど一般的な風邪の症状のほか、扁桃腺が腫れることが多く、一般的な細菌感染に伴う扁桃炎との鑑別が重要になります。
これ以外に、目やにや充血が主な症状です。まぶたが、はれる場合もありますが、化膿することはほとんどありません。

[治療]
ウイルス疾患であるため、特効薬はなく、症状をおさえる対症療法が中心になります。
熱やのどの痛みをおさえる薬(解熱鎮痛剤)を使うことが多くなります。現在、ウイルス性疾患の場合、小児に最も安全な解熱鎮痛剤とされているのは、アセトアミノフェンです。 眼症状が強いときには、眼科的治療が必要になることもあります。家庭で気をつけることとして、水分(イオン飲料でも良い)を十分に取らせてあげて下さい。
ほとんどの場合、10日前後で完治するとされています。

[登園、登校]
学校保健法では、第二種伝染病に位置づけられており、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています。ただし、病状により伝染の恐れがないと認められたときはこの限りではありません。登校に際しては、学校の先生と主治医の先生と充分に相談することが必要と思われます。

[予防]
名前のとおり、プールの水を介して伝染することが多いので、幼稚園、小学校での水泳では、十分気をつける必要があります。水泳前後の手洗い、うがい、シャワーの使用、洗眼などをきちんとしてください。目やにがでていたり、かぜぎみのときは、無理をせずプールや学校を休むようにしてください。唾液によっても感染しますので、その周りの人はうがい、手洗いなどをきちんとすることが必要です。また、他の方への感染を防ぐ意味でも、発症後3週間程度はプールを控えるようにしましょう。

お子さんにとってプール遊びは楽しいものです。せっかくの夏です。プール熱に対しては充分な対策を行い、楽しい夏を過ごしましょう。