毎年、11月末に翌年のスギ花粉症に向けて、アレルギー性鼻炎の講演会が東京で開催されます。この講演に、今回3年連続で参加してきました。
宿泊と講演会場は、毎年、赤坂見附にあるホテルと決まっています。私は、学会等で宿泊する時、天気が良ければ、早朝にホテルの周辺をウォーキングすることを習慣にしています。この時期の東京は、ちょうど紅葉の時期で、ホテルの近くの国会議事堂周辺や皇居まわりの木々が美しく彩られます。今回も好天に恵まれ、少々寒い朝となりましたが、すがすがしい気分いっぱいのウォーキングとなりました。
一方、夜の東京は街のいたるところがクリスマスのイルミネーションで、ライトアップされ、華やかさが増します。早めの忘年会もあるのか、繁華街は人でいっぱいでした。今回は、夕食に渋谷を訪ましたが、若者たちのパワーとその喧噪に圧倒されました。日常生活では、自宅と鴻池新田の往復ばかりですが、大都会東京に接して、大きな刺激となりました。
さて、講演内容ですが、来年のスギ花粉の飛散予想の第一報が報告されました。それによりますと、近畿地方の花粉量は今年の春よりやや多めとされています。ただ、昨年の飛散量が少なめでしたので、例年に比べればそれほど多くは無いと予想されています。
また、花粉症の症状は1日のうち、朝に症状が強くなることが、以前から言われています。今回の講演で、この症状の日内変動がアレルギー反応に関係する細胞の体内時計と関連しているとの報告があり、興味深い内容でした。また、今回の講演で、花粉症といっても、くしゃみ、鼻水、眼のかゆみだけでなく、鼻づまりや咳症状にも充分な対応が必要であることが、協調されていました。
最近、スギ花粉の舌下免疫療法に続いて、ハウスダストの舌下免疫療法が承認され、発売となりました。増加し続けるアレルギー性鼻炎の患者さんに対し、ざまざまな試みが行われています。今後は、アレルギー性鼻炎に対し、できるだけ最新の知見を取り入れながら、日々の診療に取り組んでいこうと考えています。