2月のスギ花粉の飛散から始まった今年の花粉症シーズンも、4月下旬のヒノキ科花粉の飛散終了をもって終了となりました。花粉症患者の皆さんもこれでやっと一息といったところでしょうか。我々やなぎだ耳鼻科のスタッフも外来の混雑が落ち着き、少しですがほっとしているところです。さて先日の話になりますが、天候もすっかりと春らしくなってきたところで、最近話題の天王寺動物園へとお出掛けしてきました。
今回は生後9か月の我が家のやんちゃ君を連れて行ったのですが、彼にとっては今回が初めての動物園です。どんな反応をしてくれるのか両親としても楽しみにしていました。がしかし、動物園へ向かう道中から、電車には噛り付き、帽子は投げ捨て、あげく眠くなって泣きだし、と前途多難な雰囲気です。動物園に着いたころには、なんとか落ち着いてくれていたので助かりましたが、私たちは道中ですでに少し疲れました。
さてさて、いよいよ私にとっても久しぶりの動物園に入園です。園内に入ってまず最初にびっくりしたのは、とにかく人が多い!事です。私の記憶では、都心の動物園としては大きな規模で、割にゆったりと動物たちを見てまわれる場所と記憶していましたが、今日に限っては違いました。たこ焼きなどの軽食を売るワゴンの前には長い列が出来ていますし、園内の通路も人がたくさんでスムーズには歩けないほどです。園内に入って最初にチンパンジーを見学に行きましたが、柵の前には2重3重に人垣が出来ていて、ベビーカーを押して一番前まで出るのも大変でした。
しかし、この程度の人手はまだまだ序の口に過ぎませんでした。すぐ近くにこの日最高の人数を集めている動物がいたのです。柵の前には2重どころか5重にも6重にも人垣が出来ていて、その後方では三脚で固定した立派なカメラを構えている方が、何人もおられます。さて、ここにはどんな動物がいるのか、もうお分りですよね。テレビでも話題の、ホッキョクグマの赤ちゃん「モモ」ちゃんがいるところです。
まあ、私も相当の親バカですので息子には少しでも近くで見せてやろうと、人垣をかき分けつつ、なんとか柵の一番前までたどり着き自分たちの陣地を確保しました。目の前で見るモモちゃんは実に愛らしくて、こんな私でも見ているとほのぼのとします。そして肝心の我が息子、熊の方は見るものの、なんだかしれーっとしています。「ほら、あかちゃんやで」「かわいいなあ、見てみ」などと息子を誘ってみるのですが、当の本人は「熊?なにそれ??」って感じでしれーっとしております…どうやら、生後9か月の彼には、動物園はまだ早すぎたようですねえ(笑)
その後も、キリンやライオン、ゾウなど園内の動物は大体見てまわりましたが、息子の反応はと言いますと大体が同じような感じで、親が期待したほどのリアクションはなく、我々両親は早すぎた動物園を痛感して帰ってきました。
その日の夜、私は自分の古いアルバムを開いてみました。すっかり色あせてしまっていますが、天王寺動物園のシマウマの柵の前、生後9か月の私が父親と一緒に写っている写真が出てきました。二人とも特別笑っているわけでもありませんが、暖かい感じがして大好きな写真です。今回は息子にとってまだ早すぎる動物園だったけれど、彼にはこれからもたくさんの素敵な写真や、思い出を残してやりたいものです。