今回は、芸術の秋第2弾として、瀬戸内海に浮かぶ小さな小さな島についてご紹介したいと思います。「直島」という、本当に小さいけれど素敵な島のお話です。
直島は、四国の高松から北へ13kmほどの海上に浮かぶ瀬戸内海の小さな島です。島の周囲は約16kmで、2時間もあれば自転車でも十分に1周できる程度の広さです。島内の住民の人数は約3000人だそうですが、週末や連休ともなると、島民の総数をはるかに上回る数の人々が日本中からこの島にやって来ます。海外から訪れる人も少なくありません。
その人気の理由は、まさに「島そのものが美術館」と思えるような場所を創り出しているところにあります。直島にはすばらしい芸術作品が集まり、それらの作品と島とが調和しつつ共存しているのです。
たとえば、村に並ぶ民家の一軒が改装されて立派な作品となっていたり、丘を登った先の神社が現代アートに姿を変えていたり。さらには、歯医者さんや銭湯、お寺までもが改装され、作品として展示されています。なかでも、桟橋の先に置かれた巨大かぼちゃのオブジェは、結構有名です。
島民の皆さんはとても親切で、挨拶や道案内はもちろん、なかには難解な現代アートの解説をされるおじいさんまでおられます。のどかな漁村の真ん中で、芸術作品を眺めながら地元の人と語り合う・・。なんだか、いい感じがしませんか?
直島には、立派な美術館ももちろんあります。ベネッセアートサイトにあるベネッセハウスと地中美術館は、どちらもたいへん素敵な美術館です。設計はいずれも安藤忠雄氏。ベネッセハウスには館内にホテルが併設されており、美術館に泊まれるホテルとして有名になりました。
地中美術館はその名の通り、美術館自体がほぼ地中に埋もれた形式で建てられています。かなり大きな美術館なのですが、たった3つの作品を展示するためだけに造られたという、なんとも贅沢な建物です。
アートサイト内には他にもたくさんのオブジェが配置されており、アートに囲まれて充実した時間を過ごすことができます。
直島の魅力は語りだすと尽きませんが、皆さんにも自信を持ってお勧めできる本当に素敵な場所です。日本国内に、そして大阪からそれほど遠くない場所にこのような島があることをありがたく思います