意外に思われるかもしれませんが、今頃は、鼻血を理由に受診される方が多い季節です。それは、急に気温が上がったことにより末梢の血管が拡張し、出血しやすくなるからです。一言で鼻血と言っても、お子さんの少量のものから、輸血を要する症例や頸部の血管を結紮する手術の必要な症例まで、その程度は様々です。
一般に、お子さんの鼻血は頻繁に起こる場合でも、比較的短時間で止まるものであれば、多くの場合心配はいりません。じわじわと出血が続き、なかなか止まらない場合、歯肉など他の部位からも出血がある場合は、血液の病気が疑われます。
これに対し、一般に成人、高齢者の出血は高血圧の関与や出血部位が止まりにくい部位にあることが多く、その止血には注意を要します。さらには、鼻腔や上咽頭にも出血性の腫瘍が発生することがあり、鼻血から悪性腫瘍が発見されるケースも少なくありません。したがって、大人の鼻血は早めに専門医を受診することが望ましいと思われます。
鼻血というのは、耳鼻咽喉科ではありふれた症状ですが、やっかいな症状とも言えるのです。
お子さんの鼻血の原因と対処法については、「子供の鼻血について」の回に当院でお配りしているリーフレットの内容を掲載しておきますので、参考にして下さい。